スターになりそこなった人
私の知人男性A氏。
ある有名人が彼の隠れたタレント性に目をつけたことがあります。
1986年前後、当時、放送作家をやっていた彼は、先輩に連れられて、さまざまなバラエティー番組の企画会議に「みそっかす扱い」で参加を許されていました。
あるとき、先輩に原稿をチェックしてもらおうとしたのですが、「時間がとれないから、収録現場に来てくれ」と言われて、彼はある局のスタジオに向かいました。
入ってみると、そこではK氏が率いる「Kちゃんファミリー」がコントのリハーサル中でした。
勘の鋭い読者の方は、もうオチがわかったに違いありませんが、オチまでしばらく猶予をいただきたいと思います。せっかく有名人が登場するのですから。
さて、着いた早々、先輩に原稿を見てもらったA氏。とたんに顔をくもらせる先輩放送作家。
「ぜんぜんダメだ……お前、作家やめて田舎帰ったらどうなんだ?」
と真顔で言われてしまいました。また書き直し……。さっさとその場をはなれる先輩。ほぼ秒殺。
A氏はすぐにボロアパートへ帰る気力もなく、肩を落として呆然と彼らのリハーサルを見ていました。
そのころ、「Kちゃんファミリー」はKニタンさんやK見慎吾さんたちの下の世代。
もちろんおふたりも現場にいて、新しいメンバーが舞台上でK氏のダメ出しを受けてるのを見ていました。
そして、次回、新展開が。